剱岳 早月尾根日帰り
2008/09/28
試練
試練第3弾、究極の日帰り登山、早月尾根から登る剣岳。下マップを参照されたい。剱岳は基本的には登頂困難な山だが、それでも一般的には室堂から剣沢を経る南側ルートが多く登られている。一方で富山側からの早月尾根は標高差と登り時間の長さゆえ敬遠されている。この長大なルートを日帰りで登り下りするチャレンジ登山が行われてるという話を数年前に知った。登山口の馬場島から早月小屋まで4時間40分、さらに頂上まで3時間半というコースタイムで標高差2200mをひたすら登るが、単なる急登の尾根に終わらず上部は北アルプスらしい危険な岩場をよじっていく。登頂後は当然同じ道を下まで降りてこなければならない。途中に水場は一切ない。体力と天候と、ルートを完全に把握していることがすべてそろい、総合的な山岳技術を駆使して実現できる。到底マネできるものじゃないと思っていた。
 しかし登山と山スキー三昧生活で登りにはだいぶ自信がついたこと、そしてワンゲル後輩の小泉君が早月往復を目標にしていると告白(?)してきたこともあり、これを今年の無雪期登山の目標に決めた。それに向け、夏山登山はできるだけ長い登りの山へと向かい、アンクルウエイトを片足3kgに増量しスクワットも強化、マウンテンバイクを購入し走り回って筋力アップをはかった。しかしさすがに盛夏に登り切る自信はない。しかも今年の天候の不安定さは異常。とても長時間登山など考えられずなかなか予定がたたない。9月になり天気のよい週末をひたすら待つ。しかしそれも岩場登りを考えた場合、雪が積もる前に限定される。
<すべての条件がそろったが>
9/27 仕事をおえ午後から高速にのり滑川ICをおりいったん買い出しに上市へ。なお馬場島に行くには遠回りっぽい感じだが上市経由の方が道がよく早い。実は昨日まで馬刺しが原因と思われるキャンピロバクターにやられ運動も酒も3日間できなかった。そんなの今年初めてだ。しかし逆によい休養がとれたといえコンディションは最高だ。明日は高気圧におおわれ晴れのち曇り。なにもかも条件はそろったがただひとつ気がかりが残る。山には今朝初雪が降ったのだ・・・

ICをおり馬場島に行く途中から圧倒的な存在感で剣が待ちかまえてる

もちろん馬場島からも。剣は逃げも隠れもせずどこからでもかかってきなさいオーラを発している

実に快適なキャンプ場。テント張らせてくれと管理人に言ったらどうぞどうぞと金もとらずに許可してくれた。トイレ(紙)水道完備

明日夜中から登るのでパフォーマンスを引き出すために本日の夕食は最重要といえる。
<早月尾根は登山界のウインブルドンや〜>
9/28 起床。晴れているようだ。テントをたたみ渇いたのどをたっぷりの水を飲んでうるおす。こんな気温の低い時期に水は荷物になるほど持つべきにあらず、登りはじめにしっかり飲んでおけば1リットルもいらない。昨日の夕食がよくきいて空腹感はまったくないから朝食も不要。ヘッドライトをつけ登山開始。寒気のせいで涼しいこともあり最初からかなりの急登だがどんどん進む。ダブルストックの効果も急な道ほどあるようだ。1時間2時間と登りが続き展望もまったくない(そもそも真っ暗だ)が疲れを感じるどころか、楽しい。心から楽しくてしかたない。ついにこの早月尾根に来ることができたのだ。それはアスリートならオリンピック競技場、テニスプレーヤならウインブルドンみたいなものか。そんな大それたことじゃないが、少なくともそれなりの体力と自信がない限りはこうしてここにはいられないのは確かだ。

登山口にはさまざまなモニュメントが設置してある

ともかく無理はしないことだ

ここから登山開始4:15。標高は760m。いきなりの急登ではじまる

しかし越後の山とはちがい道幅も広いし整備もいきとどいていて夜中でも普通に登れる。5:00巨木があらわれた

木の根が階段状。登りはよいが下山時滑りやすい

1200m 5:22

そろそろ夜明けか

1400m 5:44。標高200mを20分ちょっとで登っているか

だいぶ見えてきた(日本海方面)

1600m 5:54。 1400mからの間隔が異常に短いようだが、高度計でみるとこちらが正確だ

ここからは眺望がよくなってくる

昔の1600mの標識

1800m 6:17 まだまだ順調

奥大日岳がすばらしい

そして剣御前や立山方面の展望も

6:30柴崎芳太郎が明治40年にたてた標高1920mの三等三角点気和平(点の記参照)、ではないらしい→こちら

小窓尾根岩峰。いかにも剣だ

剣岳も顔をのぞかせる

2000m 6:48 登りはじめから休憩一切なし、一息で登りまくる得意のバサロ登法もやはりペースダウンぎみ。

6:55 ここの沼からの展望も紅葉が完璧だとすごいのだが

登り3時間ちょうど、7:15早月小屋着

紅葉も素晴らしい。室堂から温泉の硫黄臭がここまで届く

ともかく休みなしで、同時に登り始めた4チームをぶっちぎっての到着は我ながらなかなかと感心。ちょっと疲れたがまだまだ余力は十分

しかし問題はここから。まだ行程の3分の2なのだ。登りは800mだが

とりあえず朝食とする。バナナと地元のササギ餅だ。
先着して休んでいるのは他にひとりだけ。そこに早月小屋主人出現

言うには、昨日の雪で登山道は凍結、アブラ凍りだ。泊まり客はみんな下山してもらった。今日はここで帰りな。いっか、今日は決して登っちゃならね、タタリさあるど、と横溝ミステリ風忠告(後半嘘)。
予想していたが、やはりそうか。アブラ凍りってつるっつるってことだよな、きっと。むーん、それはさすがにアブラいなあ。しかしまだ7時半にもならないしぃ、見るともうすこし上までは普通に登山道だしぃ、さして雪もない。行けるところまで行ってみますと言って再出発する。はたして・・・

9/27 剣御前小屋より(ホームページから)
以下続く