土樽〜蓬峠〜七ッ小屋山〜丸ノ沢〜清水
2008/03/23(新井、下田、星野)
ハード山スキー部の活動も誰もが予想しなかった3週目。今週こそはさすがに天気はダメと思っていたが、なんとまあ、清水部落に6時半集合したときは雲ひとつない快晴。一台を置いて土樽へ車を走らす。新雪の上越国境シリーズ3部作ラストは先週よりもさらに北上したエリアで北斜面をねらう。先週の疲れもなんのそのと、ワシは春分の日に雪の舞うかぐらスキー場上部で新雪三昧を堪能していた同じ頃、他のふたりはどしゃぶりの八海山スキー場で偶然にも出会っていて今日の手配がされていた。新井先生はそんな天気のなか10回滑って標高差800mだからエベレストから滑ったようなもんだと。もはや化け物。ワシはなんだか気管支炎が抜けきれず前日には抗生剤も飲んでいまいちの体調。というわけでドーピング疑惑のワシだけでなくさすがにみんなも滑り疲れをやや引きずりつつのマイルドモード。もう学生じゃないねー。でも結果的に今回は滑りよりも蓬峠から七ッ小屋山へのゆったり稜線歩きが楽しめた、いかにも春山めいた一日でありました。このあと雪崩れるところは雪崩れて雪がザラメに落ち着くまで、しばらく山スキーはお休みかな。また来年みんなでパウダーを元気に登れるとよいですね。今回ご覧いただいて楽しそうだなと思ったワンゲルOBの皆さん、ちょっとトレーニングしたら次回は一緒に行きませんか。

先週滑った万太郎西斜面がよく見える土樽駅付近。

7:30発。今日はあの稜線、まずは蓬峠をめざす。林道アプローチがけっこう長いのだ。

と思っていたが、やはりこのメンバー。クラストした雪でシールが快調にすすみ、尾根のとりつきまで1時間半できてしまった。通常は2〜3時間らしい。今回はこういう尾根登り。


樹林帯の中の登り。雪崩の心配なく、まあ安全な登山ではあるな。


向かいの武能岳からの沢は雪崩れている。


樹林帯を登り切ると、シシゴヤの頭への稜線へは台地状に展望が開け気持ちよい。こんなところに人が異常に多い。


にゃーあんと、川上御大もその中に!たしかに3週間連続でこの辺の山に登っていて会わない方がおかしい。絶対にワシよりも山スキーにいってる、前にいた病院の上司だった先生であります。今日は新潟県勤労者山岳連盟の集まりがここなんだそうで、なるほど人が多いわけだ。

見た目は気持ちよい登りだが、当然登りは登りできつい。

稜線から振り返るとこの前行ってきた平標、仙ノ倉、万太郎。なんだか毎週だから見慣れた景色。

ここから蓬峠への稜線まで一息。高低差はあまりないから遠くにみえるがすぐである。危ないところもなく、せっかく新調した超軽量アルミアイゼン10本爪も使えず残念。


七ッ小屋山を左手にみる。写真はショボイが実際はけっこう大きいのだ。


蓬峠より北の1540mほどのピークに飛び出す。

稜線は風が強い。蓬峠からあがって一番右が武能岳、そして茂倉岳、一ノ倉岳が連続し、一番左の岩稜は谷川岳だ。

七ッ小屋山をのぞむ。ここまで3時間ちょっとで来てしまった。

個人的に蓬峠からの展望のハイライトは、朝日岳だと思います。

七ッ小屋山までは広い稜線の登り。風も気にならず陽もあたって暖かなのんびり春山気分。

蓬峠、茂倉岳方面をときどき振り返る。土合方面へ滑り降りる芝倉沢が光っている。

七ッ小屋山と左手にとがった大源太山。

快適な稜線漫歩。下田先生も山スキー新調だ。

朝日岳をバックにスキーを走らす。

にしても朝日岳。深い山だ。

七ッ小屋山まであと一息。

清水峠からジャンクションピークへの稜線。

同じ場所にて清水峠をズームしてみる。なかなかよく写るカメラである。

先週の山があったから今日はけっこう楽チンに七ッ小屋山へ。

来た稜線を振り返る。一番低い地点の蓬峠から左手へ連なるのは茂倉岳、谷川岳。バックにピラミダルな万太郎山、その右にエビス大黒ノ頭から仙ノ倉山、平標山の稜線。この3週間の山行を総括できる。

土樽からちょうど4時間。11:30に到着。朝日岳がバック。

清水峠方向。

滑降の準備。かなりの強風なのだ。

朝日岳へはけっこう登るなあ。でも今日はもう登らず滑るのだ。

12:00丸ノ沢へ滑降開始。いい斜面がそこにあるとすぐに飛び込んでしまう性格も困ったものだとはたいがい後で気がつくもの。

やや重い新雪。パウダーといえるっちゃいえる。

どんどん下る。相変わらず早いっす。

けっこう急だが快適斜面。

がんがん下る。正面は柄沢山、奥は巻機山。

と、いつの間にか先行者のシュプールがない。見ると下には怪しい茶色のデブリが・・・慎重に下ろう。

やはり一時の快楽に突っ走ると必ず訪れる試練。モロ雪崩の巣。だがもはやここまで下ったら行く以外にないのだ。

こんな雪崩あとを乗り越え滑り降りてきたのだった。それにしても全然危なげなくたいして時間もくわず普通に降りてきたのもすごいっちゃすごい。

あとはまた快適斜面。ややザラメで気持ちよく飛ばせる。

むーん、こっちを滑ってきたのはワシらのみ。

ホントはこっちの沢を滑るべきだったのだ。ワシらの滑ってきたのは左手、ややデブリが写っている沢。

もう危険箇所はない。登川本流へ合流。

大源太山。正面に見える奥の斜面を滑ってきた。

ワシらのシュプールだ。下からでもよく見える。

そうあそこから滑り降りた。わずか20分で。

おお、全体が見える。

あとはだらだらと清水まで。

林道滑り。ところが新井先生、林道ですっころんであわや谷底へ。こんなとこで遭難してしまっては山スキーヤーとして名折れ。最後の最後まで油断してはならないのだ。皆さん、家に着くまでが山スキーです。
13:50清水到着。