クワウンナイ川〜トムラウシ山2141m〜旭岳2291m
2015/08/29-31 (ワシ、ハッシー)

昨年カムエク登頂後から次の課題はここと決めた。決めてはいたが先の話であり、また来年北海道にいけるかどうか、そのときに天候はどうなるか、そもそも沢登りをしないので技術的に大丈夫かなど、成功には相当ハードルが高いと思われた。しかし調べるにつれ日本一美しいと評される沢なら一度は行ってみなければ、体力や気力など考えると今しかあり得ないのではないかと思うようになった。そのために今シーズンはすべてを今回に向けトレーニングしてきたのだった。またもカムイは微笑んでくれるか
1日目8/29(土)

天人峡駐車場発6:45

6:58橋の上からクワウンナイ川

林道を勘違いし最初から道迷い。ようやく7:24正しい道へと

7:39ポンクワウンナイ川手前にて入渓。水量はたいしてないようだが流れは速い

これまで経験してきた山行での徒渉とは段違い。だがこのくらいは覚悟してきた。いつでもスクラム組めるように上下流に並び一緒に渡っていく

徒渉と河原歩きをしばらく行き、8:17ようやくそれらしくなってきた。函の手前

8:23最初の難所、函の高巻き。絶景ではあるが

右岸を巻く

しっかりした巻き道だが、手がかりも少ない急斜面。沢に慣れてない身にはかなりな恐怖感8:32(おそらく高く巻きすぎた)
 

またしばらく河原歩きと徒渉の繰り返し。徒渉はほとんど股下で済んでいるからマシな方か。8:52柱状節理

急流の抵抗の中を歩くことももちろんだが、巻いたり河原の石の上を歩くのもきつい。とくに今日は3日分の荷物がのしかかる
 

延々と果てしなく続く河原。重荷で気持ちが折れそうになるが、晴れ間が出るとまだテンションは上がる

釣りの男性がさっさと抜いていった。沢歩きに相当慣れていて、釣りながら追いつき追い抜かれしていた

ときには河原のヤブ道

10:42入渓から3時間でまだ760m付近。カウン沢出合もまだまだだ
 

11:13赤土崩落地

その後も大きな石を越えていく単調な河原歩き。写真は12:14。単調なため撮影ポイントもあまりなし

ときに巻き道もあるが、急登で重荷には鬱陶しいかぎり12:17

12:30蕗も岩もいつまでもやたらでかい。やれやれという感じ

13:03そしてようやくカウン沢出合980m。だいたいここまでが一般的な一日行程。しかしここで終わっては明日からがきつい
 
大雨にはならないだろうが、できるだけ早めに沢を抜けたいというのもある。少し休んで、歩けるだけ先へと進もう
 
とするとまもなく魚止めの滝13:58。いきなりの大きな滝の出現に感動。釣り師はここに幕営。釣りするならそうだろうな。スペースもあまりないから先へ進もう
 
 
14:13左岸を簡単に巻いて滝の上に出る。ここからいよいよナメの連続と思うと心が躍る
 
 
14:16次の滝は左を登る
 
そしてメインステージへ
 
圧巻のナメ滝連続。そして高級絨毯のような川底の藻
 
これは確かにすごい。日本にもすごいところがあるものだ
 
 
ガンガンと進む。がしかし実は相当流れが速く、滑りやすいところもあり油断して足下をすくわれやすい。疲れのためかワシは二回転んで流されそうになった
 
どうもハイパーVソールは相性が悪いようで滑りまくる。次第に歩くのが怖くなってきた。急なところや対岸へのトラバースは慎重に行こう
 
14:35奥二股。左へ
 
右側の滝はとても登れそうになくて、こちらに行かなくていいと思うとホッとする
 
 
さらに続くナメ
 
なんでこんなことになっているのだろうか14:58
 
 
15:01二条に分かれる滝が見えた
 
15:07どうやら出口の滝1280m。これを直登し2km近く続いたナメ滝連続地帯「滝ノ瀬十三丁」が終了
 
また普通の河原歩きに戻る。稜線はガスとなり水が冷たく感じる
 
15:23オーバーハングの滝1300m。立派な滝である。普段なら感動ものだが、疲れ果てこの期に及んで全身びしょ濡れのワシは巻くためのパワー捻出に頭がいっぱい
 
ともかくはっきりしてる右岸の巻き道へ
 
すると留置ロープ。怪しく古びており命綱には心許なさ過ぎだがこの岩場を直登する以外ない。ハッシーは身体と荷物とを別々に上げることに
 
ほぼ垂直岸壁。身体を上げるだけでもきついし、怖い
 
ようやく最後の難所を突破。大きく巻くことなくすぐに沢へと降りて行けば沢直前にテン場。気力尽き、雨もパラパラ。行動終了15:40
 
 
 2日目8/30(日)

6:40テン場から沢へと降りる。寒気のせいで9月末並みとなった朝だが、徒渉をためらっても先に進める方法はない。というか夜中雨で靴もさっぱり乾いていないからさっさと水に浸かる

しばらく徒渉と河原歩き

いつまでもこんなでかい石がある

 7:00二股の滝1350m。立派にみえる左へと進む。巻き道を示すテープあり

左股の滝
 

左岸につけられた道。崩壊箇所もあるがはっきりしている

高巻いたらテン場あり7:16

沢を進む。これまでとだいぶ景色が異なり稜線が近づいた感じ。すでに足は相当冷えていたが、陽が射すと一気に暖かくなる

水量も幅も小さく

7:47すだれの滝1470m。終盤のメイン。滝の裏をくぐれるようだ

右岸にしっかりした巻き道
 

ナメ滝が出現

7:54楽勝の滝登りで
 

やっと安心楽しいの沢歩き始まりという感じ。だが山頂まではこれからしっかり高度差を稼がなければならない

振り向くとけっこう上がってきていた。大雪山らしいそのままの自然が広がる8:20
 
8:22源頭部1570m。水を汲んでいこう

トムラウシは見えてるのか?

8:38踏み跡もあるが濡れたヤブが鬱陶しく、沢の岩をつめていく

8:55やがてはっきりとした踏み跡へ

8:58桃源郷1650mへ飛び出す
 
ロックガーデンが素晴らしい

岩の上を選んで歩いて行く

まだかなりの登り

しかし最高の景色。こんな中にいられることを喜ぶ
 

稜線も近づいた。1800m沼と雪渓あり9:44
 
9:55天沼のコル1840mに到達

テントなど荷物を乾かしついでにデポしてトムラウシへ往復してこよう。10:18発

ガレの登りはそっと歩きながら飛び回るナキウサギを見る。熊鈴など鳴らしていたら警戒され現れてはくれない
 
緩いがけっこう登ったあといったん下り11:04

11:07北沼の分岐点 

山頂までまたロックガーデン登り。途中道ははっきりしない

急登もあり、そしていよいよ

11:29百名山の山頂へ。いつものことだがガスで展望なし。しかし雨でもなく寒くないからマシか
 
11:37下山。一気に北沼に降りて沼の畔を歩いた方が時間的には早い

一時ガスが晴れた。可愛いナキウサギさん達さようなら。また来年会えるといいね

12:41デポ地、飯、12:59発。岩を歩いて13:10天沼へと
 

ここもいい感じのところだ
 

奇岩が立ち並ぶ箱庭、日本庭園
 

幻想的光景を惜しみながら後にする。今日の宿まで距離だけはまだ長いのだ13:26

13:45化雲岳への登り。全然緩い登りだがここにきて疲れはピーク。ゆっくりと行くしかない
 
 

ガスも濃くなってきて気力もダウン、ほんの40mなのだが化雲岳は巻いていく。14:07神遊びの庭

14:08化雲岳分岐

あとは延々の木道歩き。大きな登りがないのが幸いだがついに雨になった。いくら濡れてもかまわない沢シューズなのが強み

ガスのなかのひたすら平坦な木道。たしかに周囲の景色は素晴らしいが、荷物が肩に食い込みもはや根性で歩き続けるのみ
 
やがて這松帯14:59

平坦な台地が終わったらまもなく五色岳1868mに到着15:11。何にも見えないけど無事にここまで来られたことに感謝

あとはゆっくり下って忠別岳避難小屋へ15:56着。本日も重荷の11時間行動だった。満身創痍
 
 
3日目8/31(月) 
 
5:00避難小屋発。盆すぎの日曜夜なのに(怪人含め)けっこう泊まっていたが昨日よりは全然余裕で眠れた。やはり小屋は有り難い
 
稜線まで15分ほど
 
 
そして忠別岳へひと登り
 
見た目よりも緩登で250m
 
 
6:01忠別岳1963m。山頂は平ら。トムラウシ展望はうっすら、その後はガス濃くなる
 
 
そして大雪山縦走のメインステージへとすすむ。暑くなくてちょうどいいか
 
岩上のリス、ツーショット
 
6:45忠別沼1790m
 
忠別岳を振り返る
 
7:44平ヶ岳を巻いてすぎたあたり。いよいよ高根ヶ原の核心部。コマクサなどあちこちに
 
 
8:20休憩
 
花の時期ならそれはそれはすごいところなのだろう
 
東面。残雪あり
 
正面には大きな白雲岳
 
ワクワクのワイド画面。ゆるく下って
 
9:01白雲避難小屋に登る
 
9:18〜25白雲岳避難小屋1990m。売店などなく管理人がいるのみ
 
給水してひと登り
 
9:55白雲岳分岐2130m。ここから登山客が少し増えてくる
 
白雲岳に登ってる余裕はないので先へと
 
 
バック白雲岳
 
延々と縦走路をすすむ。広大なアジアの大平原のようだ
 
10:27北海岳手前で休憩し登りへ
 
広大すぎる大雪山。今そのど真ん中
 
10:58北海岳2149m
 
やっと下界からの日帰り圏内まできた感じ
 
外輪山を右回り
 
11:18多少の登り下りはあるが道がよいので夏山プロムナード
 
お鉢にはまだ晴れ間も
 
間宮岳分岐はあの上というところで
 
雨がさっと降る。まもなく旭岳への分岐着11:40
 
 
いよいよ最後の登り、旭岳へ向かう
 
テント場2074mから200m強の登り
 
 
火山灰で道は不明確。きついきつい。スキーだったら絶対巻いていくね
 
しかし最後の力を振り絞りやりました、12:42旭岳2291m到着。外人ばっかり
 
 
雨もあたるので12:50走るように下山
 
13:38旭岳ロープウエイ駅着。やっと人心地ついた
 
 
だが本日の試練はそこからだった。天人峡への下山路へと白樺荘前14:38発
 
 
送電線管理の道と登山道とが錯綜して完全に迷う。しかも国土地理院地形図とは道が変わっていた。GPS頼りでヤブ漕ぎ登山道に合流16:16
 
ヤブ蚊も多いし登山道も崩落あり、非常に危険。全く勧められない道
 
急下降ジグザグを着実に降りようやくと長い一日の終わり、そして壮大な山行もフィナーレへ。16:57駐車場着。その通り疲れました
 
天人峡からクワウンナイ川に入ってからの最初の5時間を除けば、あとはどの場面をピックアップしてみても北海道以外では出会えない素晴らしい景色。本州でそれに似た風景を見ていたにしてもワイドさがまるで違う。今回の山行のためには経験者と沢登りしたりボルダリングしたり、魚沼の川であえて雨天の日に徒渉訓練などやれることは何でもやってきた。しかし結局は重荷が一番のネックとなった。ハーネスや登攀用具はまったく不要だった。徒渉突破にばかり目がいっていて、実は事故の多くが滝ノ瀬十三丁でおきていることを後で知ったが、確かにここは気が緩みやすい。しかも意外に滑りやすい。流れも相当に速く、重荷で重心が高い位置にあるところ疲れで集中力を欠いているとそういうことになるのだろう。履き物であるがハイパーVソールは川全体で滑る。ハッシーはフェルト靴で通したがやはり重荷の連日長時間縦走はきつかったとのこと。川歩きに徹して軽量化し、せいぜい一泊行程としたほうがよさそうだ。でも逆に最低一泊はしたいところ。とくに源頭部からの庭園もしくは神の遊び場は、天気良い時にゆっくり歩いて見ていかないと後悔することだろう